大学院民事法特講

「担保・執行法制の立法課題」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2002/04/10

１　この講義の内容

　最近発表された法制審議会担保・執行法制部会の担保・執行法制の見直しに関する要綱中間試案をベースに、とりわけ実体担保法の部分の立法的改正課題について検討する。

　次週は、私が要綱中間試案・同補足説明（http://www.e-gov.go.jp/からパブリックコメント→法務省→飛ぶ）と後記拙稿をもとに、審議の概要を概説する。

　次々週は、判例・文献検索の自習課題（別紙）を元に、担保法に関連する最近の裁判例のなかで特徴的な判決を輪読する。

　第３週目以降は、立法的改正の課題を順次個別的に取り上げて議論する。その際、担当報告者は、当日で良いから下記の内容を含むレジュメを配布して報告する。

　　　　�@問題になっている制度の概要（趣旨・要件・効果）

　　　　�A関連する重要な判例・裁判例（事件の概要・判旨）

　　　　�B問題点に関する学説の概要

　　　　�C指摘されている当該制度の問題点

　　　　�D要綱中間試案の立場

　　　　�Eその他考えられる立法論

　　　　�F報告者の見解

　　　　�G使用した参考文献

　　　　報告者は当然だが、それ以外のメンバーも、基礎知識は教科書・体系書・参考文献・判例評釈などを探して、自習してくること。

　

２　参考文献（アップ・デートしていません）

Ａ　教科書・概説書・体系書の類

Ａ−１　担保物権法

　　　　道垣内弘人『担保物権法』

　　　　高木多喜男『担保物権法［新版］』

　　　　近江幸治『担保物権法［新版］』

　　　　椿寿夫編『担保物権法』

　　　　柚木馨＝高木多喜男『担保物権法［第３版］』

　　　　槙悌次『担保物権法』

　　　　田井義信編『物権・担保物権法』→５月には新版出版予定。

　　　　中井美雄『担保物権法』

Ａ−２　債権総論

　　　　潮見佳男『債権総論』

　　　　前田達明『口述債権総論［第３版］』

　　　　平井宜雄『債権総論［第２版］』

　　　　奥田昌道『債権総論［増補版］』

　　　　川井健『民法教室　債権法�T／�U』

　　　　水本浩『民法セミナー４　債権総論』

　　　　林良平・高木多喜男・石田喜久夫『債権総論』

　　　　鈴木禄弥『債権法講義（２訂版）』

　　　　於保不二雄『債権総論（新版）』

Ｂ　注釈書

　　　　『注釈民法(1)〜(26)』（有斐閣）一部新版が出ている

　　　　『民法コンメンタール』（ぎょうせい、ただしこれも一部未刊）

　　　　『基本法コンメンタール』が民法（物権、債権総論）

　　　　林良平編『注釈判例民法・債権法�T�U』（青林書院）

　　　　前田達明＝篠塚昭次編『新・判例コンメンタール１〜15』

Ｃ　研究書・演習書など

　　　　『民法講座１〜７、補巻１・２』（有斐閣）

　　　　『民法典の百年�T〜�W』（有斐閣）

　　　　『民法の争点�T�U』（有斐閣）

　　　　『判例百選』シリーズ（有斐閣）

　　　　『民法学１〜７』（有斐閣）

　　　　『現代契約法体系１〜９』（日本評論社）

　　　　『金融取引法大系１〜６』（有斐閣）

　　　　『担保法大系１〜５』（金融財政事情研究会）

　　　　担保法の判例�T�U（有斐閣、ジュリスト別冊）

　　　　担保法理の現状と課題（別冊ＮＢＬ　号）

　　　　倒産手続と民事実体法（別冊ＮＢＬ60号）

Ｄ　判例掲載紙・判例批評掲載紙

　　　　判例時報（判例評論を含む）

　　　　判例タイムズ（とくに判例レビューと主要民事判例解説）

　　　　金融法務事情（とくに金融判例研究）

　　　　金融・商事判例

　　　　民商法雑誌

　　　　ジュリスト（とくに重要判例解説、時の判例）

　　　　法学教室（とくに判例セレクト、時の判例）

　　　　私法判例リマークス

　　　　法曹時報（最高裁判例解説）

Ｅ　講義テーマに関する重要論文等

　・松岡久和「いま、担保法に何が起こっているか(1)〜(6)」銀行法務21・597号〜603号

　・内田貴ほか「〈座談会〉担保法の改正に向けて」ジュリスト1213号・1214号

　・福永有利ほか「近未来の抵当権とその実行手続」銀行法務21・600号

　・「変わる担保・執行制度 ── その論点と立法的提言」銀行法務21・601号特集

　・現代担保法研究会「抵当制度の立法的見直し」ジュリスト1218号